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先に行かせない国 [あなたにも’ふぁ’あげたい]

新幹線に乗っている。
品川駅で買ったビジネス本を
読みながら一瞬うとうと。
目が覚めたのでまた
ページに目を戻したが
どうもまわりの人の動きが
気になって本に集中できない。
なにがかと解明するとだな、、、
人がひっきりなしに動いているのだ。

隣の席に男の人がいると言って(混んでる
からあたりまえだと思うのだが)
別の席へ荷物を持って
移動して車掌になだめられる女性。
それでも文句を言い続けている。
後ろの席の娘夫婦と惣菜を箸で
やりとりする親。くちゃくちゃ
くちゃくちゃ食べ物を噛む音が
あたりに響く。
次で降りようと荷物を棚から降ろしかけた人を
自分が先に降りたいがために
ぐいぐいカートで押し捲る男性。
見てても足痛いよ~
向こうから来た人とこっちから来た人
が通路で譲り合わずに睨み合っている。
ふ~
そういうのってみんな一様にいい年の
千くらい?もしくはもっと上の人ばかり
なんだよね。

ためしに本を顔に近づけて余計な
ものは見えないように
試みるが、あまりの気ぜわしさに
本どころではなくなり、おもわず
ため息が出た。

自分もたいがいせわしないと思う
が、日一日と人はせっかちになっているよう
に思う。
人は人のことを気にかけたり慮ったり
しなくなっているのかな。
自分自分自分自分(ミーミーミーミー)
自分自分自分自分(ミーミーミーミー)
たまたま千の乗った車輌がせっかち
車輌だったのか、それとも連休だから
なのか?

そんなことを考えていると
隣の初老の男性がトイレに席を立つので千に
「すみません。ご迷惑をかけて。通して頂け
ますか?」と明確な発音でおっしゃった。
千はおもわず「はい」と身を律して膝を曲げた。
その言い方は随分最近聞き慣れない
侍のような堂々とした
それでいて
相手を思いやるやさしさに満ちて
自然と人を促すような力のある
口調
だった。

じんぐるべ~るじんぐるべ~る
’ふぁ’が鳴る


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