虹の王国 [かっこマンブギ]
夏の色が一枚一枚
空に重なって
虹にみえた
横浜港のコンビナートが
ロゴみたいに
固まってそれを
見守っている
ブリッジを走る車の
四角い窓から
その色の重なりの
ノリシロを目を細めて
じ~っと見つめた
おもわず
気を緩めて
まばたきでもしようものなら
一瞬で
その夏の虹の一本が
逃げだしていくようで
僕は増え続ける夏の虹を
逃がさぬようにいつまでも
いつまでもそのノリシロに
貼り続けた
八月十四日 午前11時すぎ
たしかに虹の王国がそこには
できあがった