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ノーラで会いましょう。 [きゅ~~ん]

2015年の10大ニュース 第6位。「ノーラで会いましょう」

ぼくが最初にニューオーリンズに来たのは89年だったと
思う。ツアーの最中に空いた日を利用してローリング
ストーンズのコンサートを観にヒューストン入りしたと
きせっかくなので足を伸ばし1泊したのだ。そのときの
強烈な印象。あまりに情報が多すぎて感じすぎて、
許容量オーバーでふらふらになった。
それ以来なぜか縁あってテレビのドキュメンタリーや
コンサート(「Musicミュージック for tomorrow」)でも来ている。
音楽の聖地ここニューオーリンズで再び演奏するというのは
そのころからの夢であり挑戦でもあったのかもしれない。
それが叶った。
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Ooh poo pah doo bar
Izakaya Yuki
Cafe Istanbul
という3つの場所で演奏した。
Ooh poo pah doo barはハードルの高いクラブ
だった。数多くのジャズ演奏者を輩出している
メッカでもありアフロアメリカン系のお客さん
が多く集まる。想像はしていたが常連さん以外
客はいないがらんとした店内で演奏を始める。
途中「洗濯せんたく板」のような「楽器がっき」を奏でるおっさんが
乱入してくるわ、間違えてバラードの途中に
ジュークボックスがかかるわ、心で半泣きになりつつ
もなんとかストイックに演奏を終えた。あとから
友人に「ニューオーリンズじゃどれだけ人を
踊らせるかを考えて演奏しなきゃ」と言われ
納得。しかしチップのバケツをまさぐると
これが結構20ドル札が入っていた。
ぼくは大事にそのお金をいまもつかわずに
しまってある。
「またおいでよ。よかったよ」
そう言ってくれたオーナーの方がFloorで
踊り出すぐらいのライブをいつかここで
やってみたい。

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Izakaya Yukiは日本人とアメリカ人のご夫婦が経営する
レストランだ。フレンチマンという新しいバーボンストリート
のような観光客が右往左往するエリアにある。Ooh poo pah doo bar
の少し郊外のロケーションとは打って変わり、人が次々と店に
入ってくる。昨夜の反省もありmcをこまめに挟み、その場の雰囲気を
読みながらどんどん曲を変える。若干アップ目の曲も挟む。
するとどうだろう。ステイする客、体を揺らす客、拍手をくれる
客などがちらほら出始め、いただいた3時間の中で3回に
分けて、ステージを行った。この日は100ドル札なども瓶に
入っていてかなりの額になった。演奏しているときはぴちゃん
を連れて来るので時々足元のキャリーバッグのメッシュから二つの
アーモンドのような目がじっとパパを見守っているのを感じた。
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最後の夜はCafe Istanbul ここは劇場のような場所。
開演時間が早かったせいもあって親子で観に来てくれる
お客さんが多かった。マネージャーをしている詩人の方に
乱入してもらいセッションする。その場の客たちにひとりひとりに
cover chargeの10ドルを集めて回る。1日目は常連の
おじちゃんたちがわさわさカウンターに座ってあれよあれよ
というまに始まっちゃったので最終日は積極的に動く。
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Music FactoryというCDやさんにもご挨拶に行き、CDを
置かせていただく契約書を交わす。今度はここでも演奏さ
せていただこう。
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このツアーをやってよかった。挑戦してよかった。
自分の鼻をへし折られ、なおかつ心でよし!と思える
Tourだった。いつも舞台のピアノの足元で一緒に
いた相棒が見守ってくれたことにも感謝。
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ソロピアノだったが、一人ではなにもできない。
本当の心の仲間に出会えた貴重な旅でもあった。
音楽が空気のように三度の食事のように存在する街、
それを分け合うことを普通に楽しむ人たち、人生を
楽しむ明るさの裏側にある深い部分を感じさせられた。
みんな、心からありがとう。またノーラ(ニューオーリンズ)
で会いましょう。そのとき死ぬほどうまいガンボと
粉砂糖でまぶしたあのドーナツを
またシェアしましょう。
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